塗装屋が仕事がない時にやること16選

青木忠史

青木忠史
(記事一覧はこちら)

■日本建築塗装職人の会 会長 / アサヒリフォーム有限会社2代目代表取締役(現名誉会長)/ 経営改善実績700社以上・相談実績7,000件以上 / 『職人の会式 塗装店経営法』開発/ 『繁盛親方-工事店DXアプリ開発 / 「いちばんやさしい工事店経営の教科書」(ダイヤモンド社)/「日本建築塗装職人の会 成功の秘密」「塗装職人」「のび太くん採用」(サンライズパブリッシング社)他

塗装屋の仕事はシーズン変動の影響を受けやすい仕事です。下請けの塗装屋ならなおさらですし、元請けの塗装屋でも、シーズン変動を理解した経営をしていくことができないと本当の意味で安定経営を実現することができません。そこで、

創業間際の下請け塗装屋さん
今すぐ仕事を取りたい塗装屋さん
経営を安定化させていく時期の塗装屋さん
会社をさらに発展させていく時期の塗装屋さん

それぞれの段階にいる塗装屋さんに向けて、これまで18年間700人以上の経営指導で行ってきた内容を体系的にまとめて、記載させていただきました。

本ページは、長期健全経営を実現するために、ぜひ何度も読み返してみてください。ではどうぞ!

 


1.目の前の短期的な売り上げを上げるためのアクション

まず、創業間際の下請け塗装屋さん、今すぐ仕事を取りたい塗装屋さんは、以下の4点からどうぞ。

本章はこんな方におすすめ

◎創業間際の塗装屋さん・仕事が切れやすい塗装屋さん

1-1.戸建て住宅へのご挨拶営業(新規開拓訪問営業)を行う

仕事がないときにやることの1つ目は、チラシ・名刺を持って「ご挨拶営業」をすることです。

「ご挨拶営業」とは、職人の会では「訪問営業」を指しています。

「ご挨拶営業」がなぜ良いのかというと、原始的ではありますが、お客様と直接接するため、最も効果が高いからです。

しかし、反面、直接断られることが精神的な苦痛になるというデメリットもありますが・・・。

下請けの塗装屋さんの中では、「ご挨拶営業」を行ったことが無い方が多いと思いますので、以下に営業の基本トーク例をご紹介いたしましょう。

①戸建て住宅への「ご挨拶営業」の基本トーク例

こんにちは。私、地元の塗装職人専門店の代表親方の〇〇です。

今日はお困りごとが無いかと思って、ご訪問をさせていただきました。

うちは創業〇〇年、地域密着の住宅塗装専門店です。

〇〇〇が得意です。(〇〇〇が持ち味です)

お客様のお宅もそろそろ傷んできているので、お時間のある時に、一度、調査診断をさせていただくことを行っていますが、いかがですか?

・・・

と、このように基本は、直球・ストレートでOKです。

②戸建て住宅への「ご挨拶営業」で成果を挙げるコツ!

戸建て住宅への「ご挨拶営業」のコツは、できる限り誠実に行い続けることです。なぜなら、一度お断りをされたお客様でも、時期が変わることで、あなたにお願いをしてくれることになったり、訪問では断るお客様でも、チラシ等が届いた時には、お問合せをしてくれたりするケースもあるためです。

そのように信じて、1日100件訪問/1日20面談/300面談以内に1アポ獲得(=見積依頼獲得)を目標に頑張りましょう。

ただし。。300件訪問をしても290件以上は断られるという事実と正しく向かい合いましょう…。それは、断り文句に悲観的になりすぎないこと。お客様の断わり文句の多くは「小鳥のさえずり」と同じだと繰り返し言い聞かせながら、淡々と頑張ることが大切です。

③ご挨拶営業の副次的な効果

また、ご挨拶営業の経験は、チラシ作りやホームページ作りに多いに役に立ちます。
なぜなら、お客様宅へ自分が出向いて、直接お客様に接することを通して、新規のお客様が考えていることや、お客様の気持ちなどを理解することができるようになるためです。

 

1-2.元請け様へのご挨拶営業を行う

仕事がないときにやることの2つ目は、「元請け様営業用の名刺」と「料金案内チラシ」を持参して、地元・近隣都市の元請け様へ「ご挨拶営業」を行うことです。

主に、以下のような会社様に営業をするとよいでしょう。
・塗装屋さん
・少し大きめの規模のリフォーム屋さん
・工務店さん(あまり小さなところは仕事がありません)

①元請け様への「ご挨拶営業」の基本トーク例

 

こんにちは。私、一級塗装技能士の〇〇塗装の代表の〇〇と申します。

代表さんか、塗装工事の発注の決済権をお持ちの方はおられますでしょうか?

御社の発展に貢献できる下請け塗装工事を提供する自信があります。

ぜひ、一度、試しに使っていただけませんでしょうか?

初回の現場は『半額の金額』で、まずは仕事内容を見ていただきたいと思いますので、よろしくお願い致します。

・・・・

とこのように、トークは直球・ストレートでOKです。

②元請け様への「ご挨拶営業」で成果を挙げるコツ!

元請け様への「ご挨拶営業」もできる限り誠実に行うことです。その上で、取引のはじめは、相手(元請け様)にもリスクがありますので、そのリスクを自分が背負う意味でも「1件目の施工は半額以下」で提供するなどの配慮をしましょう。

そして重要なことは、「料金案内チラシ」と「施工実績」を作成して持参することです。

いわゆる業者様は、「この人に頼むといくらなのか?」という合理的な判断基準でまずは判断するからです。

そして、「いくら初対面の方が安くて良い仕事をします!」と言われても、実績を見てみないと不安が払しょくできないからです。

さらには、ホームページもあったほうがいいです。

まずは、市内・近隣都市で100件の元請け様をピックアップして、ご挨拶営業をすることを目標に頑張っていきましょう。

 

1-3.顧客フォロー営業を実行する

仕事がないときにやることの3つ目は、「顧客フォロー営業を実行する」ことです。

顧客フォロー営業とは、既に塗装工事を自社で行った顧客様へのフォローアップ営業をかけることを指しています。

なぜ、「顧客フォロー営業」が有効的なのかと言うと、お客様は信頼をした塗装屋さんから次の塗装サービスを受けることには抵抗・警戒が少なく、新しい塗装屋を選ぶことに対しては、抵抗・警戒が大きいからです。

そのようなことからも、マーケティング的には「顧客フォローアップ営業」は売上アップの特効薬とも言われています。業績改善を実行する際には、新規開拓営業よりも、まず既に塗装工事を提供したお客様に対して「フォローアップ営業」をかけて、リピート塗装工事、紹介促進を行っていくことが効果的です。

顧客フォロー営業の際には、ただ顧客訪問をするのではなく、以下の要点を押さえることも大切です。

①顧客ニーズに応えられるサービスを提供する

②顧客限定のサービスを提供する

③顧客限定割引のサービスを提供する

④顧客様の現状をヒアリングをして情報収集をする

⑤無料サービスを提供する

⑥紹介促進を促す

これを機会に「顧客フォロー営業」を、自社の営業活動に入れて取り組んでいきましょう。

 

1-4.出稼ぎをする

仕事がないときにやることの4つ目は、「出稼ぎをする」ことです。

理由は言うまでもなく、多くの塗装屋の先輩が今でも、冬場は都市部への出稼ぎを行っていることから、創業当時の仕事がない時期には必須の行動です。

その際に、冬場の人工は、夏場よりも安く設定して、都市部や沿岸部の元請け様にあらかじめ営業をかけておくようにしましょう。

出稼ぎ営業メールの基本事例

出稼ぎ営業を行う場合には、都市部(東京・横浜・川崎・名古屋・大阪方面)の建設会社・塗装会社のホームページへ、以下のような営業メールを送信します。(あくまで一例ですが参考にしてみてください)

~~~~~~~~

件名:
〇月~〇月までの塗装工事を割安で請負います〇〇県の〇〇塗装

本文:
はじめまして。ホームページから不躾なメールを大変失礼致します。
私は、20〇〇年から〇〇年間、塗装一筋で活動してきました〇〇県の〇〇塗装の代表〇〇 〇〇と申します。
私共の地域では、〇月~〇月の期間は、仕事が薄く、塗装仕事で生計を立てている〇〇塗装としましては、
毎年、都市部の塗装会社様、建設会社様のお仕事を格安で請け負わせていただいてまいりました。

ただ、これまでご愛顧頂いてきました建設会社様との関係が終了いたしましたので
このたび初めて御社様にメールを差し上げている次第です。

御社様のホームページを拝見し、〇〇〇という部分に感銘を受けましたと共に、
〇〇〇の分野の塗装工事なら私共の得意分野でもありますので、
御社様の御発展に貢献できるかと思いました。

一度、面接の機会を頂けましたら幸いでございます。
ただ平日は毎日現場仕事に従事していますので、
zoom面談であれば、〇曜日〇〇時以降であれば可能です。
御社へお伺いさせていただくのでありましたら、〇曜日〇〇時あたりをご指定いただけますと助かります。

どうぞよろしくお願い申し上げます。
〇〇塗装 代表 〇〇 〇〇
(携帯電話:090-XXXX-XXXX)

~~~~~~~

また、りんご農家など、建築・建設屋さん以外の冬場の収穫応援などの仕事に出ていく塗装屋さんもあります。

ただし、仕事が回ってくるようになったら、冬場もなるべく地元の仕事を行えるように切り替えていく目標を持ちましょう。

あくまでも、「出稼ぎ」は、創業当時などの塗装屋さんの営業手段の1つという認識が良いと思います。

 

 


2.二年後に、毎月安定的に受注ができる”仕組みを整える”アクション

今すぐの仕事というよりも、経営を安定化させていきたいという塗装屋さんはこちらをご覧いただき、実行してみてください。

本章はこんな方におすすめ

◎下請けから脱却をして元請けの塗装屋になりたい方

マーケティングを実行する

仕事がないときにやることの5つ目は、「マーケティングを実行する」ことです。

マーケティングを実行するためには、当然予算がかかりますが、「仕事がない」という時期にマーケティング活動をスタートさせる方も多いものです。なぜなら、マーケティング活動は、会社経営を行っている以上、いつかは自社で実行していかなければならないものからです。

主な塗装屋のマーケティング活動とは以下のとおりです。

①チラシ

1つ目のマーケティング施策はチラシです。なぜなら、地域密着型の営業を行う塗装屋において、地域の方々に直接アプローチできるマーケティング手段だからです。そのチラシのつくり方は、職人の会では「理念型」を推奨しています。理念型チラシは、他社との差別化を明確に行うことができ、長く安定的に反響を獲得し続けていくことができるからです。

“外壁塗装の集客を成功させるチラシのつくり方は「理念型」”

  • シンプルなデザイン
  • 仕事に対する考え方を提示する
  • 職人の顔を見せる

詳しくは、塗装屋の集客を成功させるアクション「チラシ」をご覧ください。

 

②ホームページ

2つ目のマーケティング施策はホームページです。なぜなら、ホームページを用意することにより、新規のお客様に対して、お問合せ前に、あなたの会社のことを全て伝え切り、新規のお客様との信頼関係を構築することができるようになるからです。その結果、見積依頼反響に繋がっていくからです。

“塗装屋のホームページは、自社の全てを正しく伝え切ること”

  • Googleを意識しすぎるのではなく(SEO対策)、まずお客様を意識して、自社の全てを正しく伝え切ること
  • 自社の全てとは、自社の強み、会社概要、対応工事、施工事例、自社職人、お客様の声、自社の施工知識、等
  • その上で、シンプルなホームページに落とし込むこと

詳しくは、塗装屋の集客を成功させるホームページの秘訣をご覧ください。

 

③店舗をつくる

3つ目のマーケティング施策は店舗をつくることです。なぜなら、高額商品の1つのである塗装工事を依頼するお客様は、店舗があることにより安心するからです。

(上写真はニッポンの塗装店FCのブランディング店舗)

店舗のつくり方は以下のとおりです。

“集客効果が高い店舗づくりのポイント”

  • 地元の人がよく通る通りに面した場所を選ぶこと
  • はじめは大きすぎない15坪~20坪程度でOK
  • 店舗のデザインも自社のブランドデザインと合わせて統一することがBEST
  • 外装・内装の装飾を行うこと

詳しくは、塗装屋の集客を成功させる店舗づくりをご覧ください。

 

④現場ブランディング

4つ目のマーケティング施策は現場のブランディングです。その理由は、実際に施工をしている現場は一番効果が高い営業のポイントでもあるからです。具体的には以下の点を行っていきます。

“見積依頼に繋げる現場ブランディングのポイント”

  • ブランディング現場シートを設置する
  • 現場案内イーゼルボードを設置する
  • 作業車をきれいにしておく
  • 統一したユニフォームの職人さんが現場作業に携わる
  • 現場挨拶案内等の販促ツールを準備する

詳しくは、こちらニッポンの塗装店FCをご覧ください。

 

⑤顧客フォローマーケティング

5つ目のマーケティング施策は「顧客フォローマーケティング」です。具体的には、既に自社で施工をしたお客様に対して、DMや定期訪問などのフォローアップマーケティングを行うということになります。

その理由は、塗装工事は高額商品でもあり、こだわり商品でもあるため、顧客様からの紹介促進やリピート注文が、売上に大きな影響を与えるビジネスモデルでもあるからです。

“紹介促進・リピート注文を誘う顧客フォローアップマーケティングのポイント”

  • 既に自社で施工をしたお客様に対してDMの定期配送と定期訪問等を行う
  • ニュースレター配信を行い、お勧めするサービスのセールスレターを同封する

詳しくは、こちらニッポンの塗装店FCをご覧ください。

 

⑥ボランティア活動の実施

6つ目のマーケティング施策は「ボランティア塗装活動の実施」です。具体的には、地元の公共施設等のボランティア塗装を行うという方法になります。ボランティア塗装活動がマーケティング施策として役立つ理由としては、ボランティア塗装活動実績を、チラシ・会社案内・ホームページ等に2次活用して、会社の信頼度をアップさせるという効果を期待するためです。また、同時にプレスリリースをすることも可能です。

ただし、明らかな売名行為は悪評にも繋がる可能性もあるため、純粋な気持ちで行っていただくことを期待しています。

詳しくは、こちらニッポンの塗装店FCをご覧ください。

⑦プレスリリースの実施

7つ目のマーケティング施策は「プレスリリースの実施」です。なぜなら、新聞にニュース掲載していただくことで、自社発信の媒体(チラシ・ホームページ・看板など)だけでは得られない信頼を得ることができるからです。

具体的なやり方は、地元メディア(新聞・WEBニュース媒体)に、プレスリリースというニュースを送信することになります。

詳しくは、こちらニッポンの塗装店FCをご覧ください。

 

マーケティングは実行し始めてから成果が安定化してくるまでおおよそ2年程度はかかりますので、この機会に勉強しながら実行を始めていきましょう。

 

 


3.会社の強みや武器を整え、自分を磨くためのアクション

会社をさらに発展させていきたい塗装屋の方はこちらをご覧いただき、実行してみてください。

本章はこんな方におすすめ

◎元請けの塗装屋になり、年商1~2億円以上を目指したい方

3-1.「塗装デザイン」を収集して開発する

仕事がないときにやることの6つ目は、「塗装デザインを収集して開発する」ことです。

なぜなら、数多くの塗装デザインを知っていれば、おのずと受注に対する自信もつきますし、見積提案でも、お客様から選んでもらえる確率も高くなるからです。以下の順序で自社の「塗装デザイン」を体系的に作り上げていきましょう。

①デザイン塗装の施工事例の収集・・・ネット検索・Instagram検索で「良いな!」と思った施工事例を収集する
②デザイン塗装事例の体系化・・・収集した施工事例を「色ごと」「パターンごと」「住宅の形状ごと」等に体系化する
③自社オリジナルデザインの開発・・・上記より、実例が無い施工事例を自社のカラーシュミレーション等で行い、自社オリジナルデザインを開発する

これらは、見積提出時用のカタログ等にまとめて、繁盛期に備えましょう。

 

3-2.塗装屋経営の勉強をする

仕事がないときにやることの7つ目は、「塗装屋経営の勉強をする」もしくは「経営戦略を練る」ことです。

なぜなら、繰り返しになりますが「仕事がない時期」とは、逆に「時間がある時期」でもあるからです。そして、仕事が忙しい普段には滅多に経営の勉強などはできないため、仕事がない時こそ、「塗装屋経営の勉強をする」~「経営戦略を練る」ことが大切だからです。

ちなみに塗装屋経営とは、以下の図のとおりです。

①集客戦略

集客戦略とは、チラシ・ホームページ・現場・店舗・顧客フォロー・SNS媒体等の各戦術を通して、自社の理想顧客像(ペルソナ)を中心に、どのような顧客層を、どのような切り口で集めていくのかという構想です。また、自社の現状に合わせて、それぞれの戦術を実行する・しないを決断していくことも、戦略を構想する上で重要な要素となります。

②営業戦略

営業戦略とは、初回電話対応・現地調査対応・見積提出時対応・契約後対応・来店時対応・現場対応・クレーム時対応・顧客フォロー時対応などの各戦術上の対応のルール決めや、各戦術からの成果を増大させるための補助ツールの開発、担当者の教育などを総合的に表現しています。こちらも、自社の現状に合わせて、切り口ややり方を改善したり、担当者の練習頻度を高めたりします。

③施工サービス戦略

施工サービス戦略とは、施工サービス(足場組み~施工中~施工後まで)の一連の流れを通して、①施工品質からのお客様満足、②現場接客からのお客様満足、③施工後から次の塗替えまでのアフターフォロー期間中のフォローアップからのお客様満足、を実現していくための構想です。こちらも、自社の現状に合わせて、取り組み課題を設定したり、現状以上にお客様満足度を高める工夫を凝らしていくことなどを構想します。

④採用戦略

採用戦略とは、どの人材(事務員・子方・親方・職長・責任者等)を、どの媒体で、どのような切り口で、採用していくのかの構想です。その上で、自社の現状から長期計画に応じて構想していくことが求められるものです。こちらも、自社の現状に合わせて、最適な人材を採用していく戦略を構想します。

⑤教育戦略

教育戦略とは、営業担当者、施工班、事務担当、責任者など、各職階の人材の業務習得度を高めるために、業務マニュアルの整備、社内研修の実施、評価制度の導入、教育担当者の任命、などに取り組んでいく構想です。自社の現状に合わせて、指導内容を設計していくことが戦略的に重要な要素とも言えます。

⑥組織づくり戦略

組織づくり戦略とは、塗装屋の基本の組織図を理解した上で、自社の現状の人材に合った組織を構築していくことを指しています。

⑦経営管理

塗装屋の経営管理とは、①完工売上管理と原価管理、②受注売上管理、③人心掌握によるマネジメント、が中心となり、自社の経営状態を数値と心理面で正しく把握することを指しています。「職人の会式」では、「経営力UPソフトー繁盛親方」を活用していただき支援しています。

⑧財務戦略

財務戦略とは、要するに、「会社のお金」をどのように貯めていくのかということになります。具体的には、中小企業の塗装屋の場合、会社の利益剰余金と社長の個人所有の財産の両方を「会社のお金」と定義することが、本質に沿った正しい姿となります。なぜなら、中小企業オーナー経営者は「無限責任」と言って、事業の全てに責任を負っている状態である為、事業が傾いた時には、個人所有の資産も投入しなければならないからです。

「職人の会式」では、「年商の50%の内部留保を持つ経営」を推奨しています。

⑨経営戦略

経営戦略とは、要するに、「自社の強み」をどのように伸ばしていき、どのような事業展開をしていくか、という大枠の経営ビジョン=GOALを構想した後に、現状からそのGOALに到達するための最短距離を構想していくプラン二ングになります。主に、「人」「モノ」「金」「情報」「特殊能力」等の自己が所有しうる「資産」をベースに構想していくものです。

➉経営者の人生計画

 

上記の塗装屋経営すべてにおいて知識を有していれば、塗装屋経営は限りなく成功に近づくことでしょう。そのためには、本サイト(職人の会アカデミー)で徹底的に学ぶ・職人の会が開催する塗装屋経営セミナーシリーズに参加するなど、これを機会に計画的に実行してみてください。

 

3-3.思い切って長期休暇を取る

仕事がないときにやることの8つ目は、「思い切って長期休暇を取る」ことです。

ここで想定している「長期休暇を取る」ことは、主に豪雪地域の方を対象としていますが。豪雪地域等おいて冬場に仕事が切れることは毎年のことですね。なので「年間勤務カレンダー」に「長期休暇」としてあらかじめ決めておき、社員さんを年間雇用をしていく計画にすることが会社を継続的に発展させていく大切な要素にもなるからです。

例えば、豪雪地域では、12月、1月、2月、など仕事ができないこともあります。そのような時期に、1週間~2週間の長期休暇を社員にも与えるのです。一方で、4月~11月までの繁盛月(期)には休みを少なくして、現場仕事に取り組んでもらいます。また、このような環境下で経営をしている塗装屋の場合には「1年単位の変形時間労働制」を導入することも、同時におすすめです。

「一年単位の変形労働時間制」と社員満足度のアップ!

一年単位の変形労働時間制とは、「一年単位の変形時間労働制に関する協定届」を所轄の労働基準監督署に提出することで、労働基準法に則った中で実施ができるようになるという制度です。(一年単位の変形時間労働制の導入の手引きはこちら

具体的には、

忙しい時期には長く働いてもらうことがあるが、暇な時期、早く日が暮れてしまう時期には、労働時間が短縮されることもある。しかし、1年を平均して8時間働いてもらうという労使間の合意をすることであれば、長く働いてもらう時期にのみ残業代が発生させなくてもよい

という制度です。

「一年単位の変形労働時間制」の導入により、会社も人件費の負担が減少し、社員も労働基準法に触れることなく正しく働くことができて安心して勤められるようになり、その上で、会社が閑散期などに長期休暇を設定してくれれば、社員満足度も上がるので、とても良い会社になりますので、「一年単位の変形労働時間制」を導入したい方は、以下から「一年単位の変形労働時間制を導入したいのですが・・・」とお問合せください。

 

3-4.新しい技術の習得をする

仕事がないときにやることの9つ目は、「塗装以外の技術習得をする」ことです。

なぜなら、仕事ない時期の空いた時間を利用して、自社ではまだ取り組んでいない技術を習得し会社で対応できる工事幅を広げておくことが、会社の成長に繋がっていくからです。

具体的には、屋根の葺き替え、雨といの交換、軒天の張り替え、など、外装に関わる塗装以外の技術の練習をし、組織的に習得をしていくことを心掛けます。

そして、翌年の春先には、練習の成果を発揮する意味でも、割引受注を行い、自社対応ができるようにしていきます。

さらにチャレンジできる会社では、外装だけではなく、室内のユニットバスの交換、トイレの交換、などにもチャレンジをしていくことも良いでしょう。メーカーが開催している研修などに参加して技術を習得することで、顧客様へのリピートリフォームの提案を行っていくことも検討していきます。

このようにしていくことで、仕事がない時期を利用して、会社を発展させていくことができるようになります。

 

 


4.会社の未来をつくるアクション

会社をさらに、長期的に発展させていくことを考えている塗装屋さんは、以下の項目にも取り組んでみてください。

本章はこんな方におすすめ

◎10年間以上の長期安定経営から事業承継までを目指したい方

 

4-1.年間計画を立案する

仕事がないときにやることの10つ目は、「年間計画を立案する」ことです。

年間計画とは、1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月までの月次の計画を指しています。

なぜ、仕事がない時に「年間計画」を立案するとよいかというと、仕事が忙しい時期には、近視眼的になりやすいものですが、仕事がない時期には、適度な危機感を持った上で、全体的な視野で「戦略の見直し」「計画の見直し」を極めてシャープに行うことができるからです。

その結果、中長期的に安定経営を実現していくきっかけとなっていくことが多くなることでしょう。「年間計画」考えるヒントは以下のとおりです。

繁盛月(期)に対する考え方

  • 【考え方】売上を上げ、会社を成長させる
    ①休みを減らす
    ②労働時間を長くする(残業を推奨する)
    ③仕事をこなし、利益を蓄える

閑散月(期)に対する考え方

  • 【考え方】普段できないことを実行し、会社を強くする
    ①休暇を設定する
    ②労働時間を短くする(残業を推奨しない)
    ③社内を見直す
    ④社員教育をする
    ⑤新しい技術を習得する

上記をベースに、自社の1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月、の各月の「月間目標」や「スローガン」「課題」を決めて取り組んでいきましょう。また「繁盛期」「閑散期」は地域差がありますので、自分の地域に合わせて考えてみましょう。

このような取り組みによって繁盛月(期)には会社を成長させ、閑散月(期)には会社を強くさせるという、メリハリのある経営ができるようになり、会社は発展してくことになるからです。

 

4-2.会計資料をまとめる

仕事がないときにやることの11つ目は、会計資料をまとめる=現場ごとの「原価管理シート」「完工一覧シート」の作成 を行うことです。

なぜ、仕事がない時に会計資料「原価管理シート」「完工一覧シート」をまとめるとよいのかというと、時間のゆとりのある時に、原価管理・管理会計の基礎を習得しておくことによって、必ず年間通して利益を出せる会社を作っていけるようになるからです。

 意外と繁忙期(月)には、「原価管理シート」も作成できないほど、現場仕事に専念している塗装屋さんも多いものです。しかし、閑散期(月)には、逆に、これまで作成できなかった「原価管理シート」を作成したりすることもできます。

 会社が小さな時期には、特に人の手も少なく、社長が業務をこなすことが手一杯になってしまうことも多々あります。そのような時期には、仕事の仕方を臨機応変に変えながら、会社全体としての成果を挙げていくようにも考えていきましょう。

「原価管理シート」の具体的な作成方法は、原価管理の仕方のページで説明しますので、お待ちくださいね。

 

4-3.倉庫・社内・作業車の整理整頓・清掃をする

仕事がないときにやることの12つ目は、「倉庫・社内・作業車の整理整頓・清掃をする」ことです。

なぜ仕事がない時に倉庫・社内・作業車の整理整頓をするとよいのかというと、仕事がない時には、一歩引いた目で全体を見渡すことができ、断捨離が進むからです。そしてその結果、無駄な物事が無くなり、社業がスムーズに進んでいくことにもなるからです。

具体的には以下を参考にしてみてください。

①倉庫内の整理整頓・清掃については、古くなった塗料・材料(主に1年以上使用していないモノ)の処分、使える塗料・材料があれば「顧客様へのサービス工事などで活用する等

②社内の整理整頓・清掃については、いらないモノの処分、古くなった資料の処分、古くなったPC等の処分、顧客台帳はデータ化して原本は処分、等

③来客用店舗orショールームの整理整頓・清掃については、古いポスターの貼り替え、のぼりの取替え、床掃除、窓拭き、マットの取替え、

④作業車の整理整頓・清掃につについては、荷台の道具&材料の点検・手入れ、荷台の荷物を全て下ろして清掃する、助手席、運転席の清掃、等

整理整頓・清掃作業の中で、不要なモノを処分していく「断捨離」は、とても大切です。発展している会社では、定期的に断捨離を行っているという話もよくありますが、とにかく、発展している会社はきれいで片付いており、低迷している会社ほど、乱雑、散らかり、埃が貯まっています。

「断捨離」は、自社の未来にとって、必要か・不要かの重要な意思決定でもあるため、定期的に行う習慣を持ちましょう。毎週、曜日と時間を決めて、断捨離を行っている会社もあるほどです。

なので、単なる「整理整頓か~。断捨離か~。」と捉えずに、過ぎ去った過去を処分して、清々しい気持ちを手に入れて、会社の明るい未来を見つめる機会にいたしましょう。

4-4.人材採用を行う

仕事がないときにやることの13 つ目は、「人材採用を行う」ことです。

なぜなら、オフシーズンには業績のよくない会社の人材が転職を考え出すため、採用効率が良いからです。

ですが、オフシーズンに人材採用ができる会社は、ある程度、経営が成功しており、内部留保や受注ストックの蓄えもある状態であることが条件となります。なので、少しレベルが高い実行戦略でもありますが。

自社でも「オフシーズンに人材採用ができるようになろう」と目標を持って、経営成功を目指していきましょう。

採用の仕方は別ページで説明しますので、お待ちください。

 

4-5.人生計画を立てる

仕事がないときにやることの14つ目は、「人生計画を立てる」ことです。

人生計画とは、20代、30代、40代、50代、60代、70代、80代、、それぞれの時期に、「仕事面」「資金面」「プライベート面」等でこうなっていたい!という理想の姿を描き、そのために今からやるべきことを考えていくことです。

なぜ仕事がない時期に「人生計画を立案する」ことがよいかというと、仕事がない時期というのは、目が外ではなく、自分や自社の内に向きやすい時期であるため、普段なかなか考えられない「自分の人生のこと」をしっかりと考えておくことで、忙しい時期にも迷いなく前進できるようになるからです。

時々いませんか?「毎日、朝から晩まで仕事ばかりで、自分は何のために生きているのだろう・・・」と考えている方。そんな方ほど、仕事がない時期には、人生計画を考えてみることをおすすめします。

職人の会では、ジーニアスクエストプログラムという「人生成功計画立案プログラム」がありますので、別途ご案内いたしますので、お待ちください。

 

4-6.精神修行をする

仕事がないときにやることの15つ目は、「精神修行をする」ことです。

具体的には、お寺での修行や「ジーニアスクエストプログラム」の実習をすることです。

なぜ、仕事がない時に精神修行をすると良いのかというと、自分を日常を離れた環境で見つめ、直したい悪い癖などを直し、新しい自己を作ることができるからです。そして、良質な精神修行を通して生まれ変わることを通して、人は経営成功を実現できるようになるからです。

多くの方が、自分自身が持っている心の傾向性を通して、同じ失敗を繰り返したり、人生の壁にぶつかったりしています。「経営者はどのようなことも自己責任と捉えること」とも言われますが、それは、他人に原因があるような出来事でも、会社経営においては、経営者自身の心が作り出していることがほとんどであり、その事実に気がづくことが、失敗を防ぐことになります。

そのためにも、時々、心を見つめる機会を設けることが必要だということなのです。

 

4-7.達観する

仕事がないときにやることの16つ目は、「達観する」ことです。

要するには、じたばたしないで全てを受け入れるということです。すると、余計な心労を得ることもなく、むしろ正しい経営判断ができるようになり、会社の次の発展を描くことができるようになります。

ある60代の塗装屋社長が、以下のようなお話をしてくれたことがありました。

「仕事がない時期は、必ず、いつの時期でも一定の期間あるものだ。そういう時期には、ジタバタしても仕方が無い。どうしてもやることがなくて不安を感じるのであれば、これまで施工をさせて頂いた顧客まわりをして、塗装の手直し等をサービスでしてあげることだ」

「これまで、オイルショック、バブル崩壊、悪徳リフォーム騒動、コロナ禍、など、定期的に、「不況」と言われる時期があったが、必ず、不況は終わり、次の好況が来たので、いつ不況が来ても良いように、日頃から蓄えを作っておきながら、不況が来たら次の好況が来るのをじっと待ち構えていることが大切だ」

まさに、このような姿勢が、達観ですね。

 

以上が、下請け塗装屋が仕事がない時にやること16選でした。今日からの塗装屋経営の参考にしていただければ幸いです。

 

 

 

 

コメント

このようなお悩みを
お持ちではないですか?

  • 塗装屋として独立したいが、何から行ったら良いのか分からない
  • 元請けに転換したいが、相談できる人がいない
  • もっと自分たちが提供している良い仕事を、多くのお客様に届けたい
  • 会社が将来的に成長していけるのか不安だ
700社以上の塗装屋を成長へと今も導き続けてきている「日本建築塗装職人の会」があなたをサポートします。
お気軽にご相談・お問合せください。

日本建築塗装職人の会は、塗装業界の健全発展、建築業界の健全発展を実現したいと考えている任意団体です。
日本建築塗装職人の会の武器は、これまで15年間700社以上の経営指導実績の中で培ってきた独自の経営スキーム「職人の会式 塗装店経営」です。
このスキームを通して、先が見えづらいと言われている時代の中で本当に大切なもの、本当に価値ある塗装工事店や塗装職人さんを残していきたいと考えています。

1人で悩んでいませんか?
職人の会本部にお気軽にご相談くださいね。
無料ダウンロード メールでご相談
1人で悩んでいませんか?
職人の会本部にお気軽にご相談くださいね。
お電話でご相談 メールでご相談